こども2018.05.14

Mr.Xの勝手にアドバイス

今回は、小さな子どもと触れ合う機会の多い人に知っておいていただきたいお話です。
身近なところで起こるかもしれない小児肘内障をご存じですか。脱臼の少し軽い亜脱臼がヒジの関節に起こっている状態で、「ヒジが抜けた」と言われることもあります。


【子どもの変化を見逃さないで!】


一般的な脱臼は関節、つまり骨と骨の位置関係のバランスがくずれていることを指しますが、肘内障は骨を固定している靭帯と骨の位置関係のバランスの乱れを指します。肘関節の構造で示すと、腕の橈骨の輪状靭帯が橈骨頭からずれているような状態です。


肘内障は歩き始めの1歳くらいから3歳までの子どもに起こりやすく、小学校に入学する年齢になると靭帯がずれにくくなり、起こることが少なくなると言われています。5歳までは注意が必要で、7歳までが対象だと認識していただくとよいでしょう。では、どういった時に注意が必要でしょう?


実は「子どもの手をぐっと引っ張った」という些細なことで起こってしまうことがあるのです。子どもが道路に飛び出そうとした時、転びそうになった時などに思わず手をぐっと引っ張ったりしますね。すると、急に様子が変わり、泣き出したり、痛がったりすることがあります。単にびっくりした状態という場合もありますが、その瞬間は泣かなくても、再び手をつなごうとすると泣き出したり…。


また注意したいのは、こうして人に手を引っ張られた時だけに限らず、肘内障は寝ている時にも起こります。腕を体の下敷きにしたまま寝返りすると、ヒジを引っ張る形になって亜脱臼を起こしてしまい、目が覚めると痛がってヒジがだらりとしていることで気づくこともあります。


転んだりして様子がおかしいと思った時は骨折や脱臼との区別が必要です。近くの病院か接骨院でみてもらい、肘内障ならそのまま整復(元通りに)してもらうことができます。後遺症はほとんどないので心配ありませんが、骨や靭帯部分が発達途中の子どもの場合は繰り返すこともあるので、強く引っ張らないように注意が必要です。


小さな子どもは、ケガをしても言葉で説明したり、その状態や痛さを上手く伝えたりすることができません。周囲の大人が注意深く観察して、適切な対処ができるように心掛けましょう。



【CHECK!】

ヒジ関節の構造と肘内障


〈正常な腕の状態〉

上腕骨と橈骨が接する関節部分で、尺骨と橈骨が輪状靭帯でつながっていることで関節は正常に動く。


〈小児肘内障〉

腕を引っ張られたことにより、橈骨頭から輪状靭帯がはずれかかっている。


(HONEY-STYLE34号より抜粋)